液体状の夕焼け

不自然な呼吸 世界一の秘密 悲しかったよ

旅行

生と死の幻想 -盛岡青森一人旅 その3-

僕にとって、青森は死の薫りがする都市である。 あれは小学3年生のころ、特にイジメを受けていたとかではないのに、なぜかとてもナイーブになっていた当時の自分は、とにかく死にたいと思っていた。毎日死の幻想に取り憑かれていた。そのころは信仰心の厚い…

跳躍の美少女 -盛岡青森一人旅 その2-

だって、女には、一日一日が全部ですもの。男とちがう。死後も考えない。思索も、無い。一刻一刻の、美しさの完成だけを願って居ります。 ――太宰治「皮膚と心」 女の子に生まれたかった。幼いころから、ずっと。別に性同一性障害だとか、そこまでシリアスな…

玉虫色のマーチ -盛岡青森一人旅 その1-

暑い季節は、ひたすら北へ北へと旅をしたくなる。苗字からルーツを辿ると、もともと近江の国にいた一族が、なんやかんやあって青森に北上した家系のようで、その血が数百年後の自分をも駆り立てるのだろうか。 土曜日。 休日出勤を終えた私は、その足でいそ…